増大号特集 精神科診療のエビデンス—国内外の重要ガイドライン解説
第5章 不安症・パニック症
③全般不安症/パニック症
Generalized anxiety disorder and panic disorder in adults: management (NICE clinical guideline, CG113)
塩入 俊樹
1
,
山本 円香
1
Toshiki Shioiri
1
,
Madoka Yamamoto
1
1岐阜大学大学院医学系研究科精神病理学分野
1Department of Psychiatry and Psychotherapy, Gifu University Graduate School of Medicine, Gifu, Japan
pp.585-592
発行日 2020年5月15日
Published Date 2020/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206076
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ガイドラインのポイント
・本ガイドラインは,成人(18歳以上)の全般不安症(generalised anxiety disorder:GAD)およびパニック症(panic disorder:PD)患者を対象として,両疾患のより良好な機能とより低い再発可能性に関連する症状の完全な除去(寛解)の達成を目的として作成された。
・学会により作成される他のガイドラインと異なり,公的機関によって作成された。
・さまざまな治療法(医療技術)に対して,「医学的効果(患者にとっての最適選択)」と「経済的コスト」の両面から最も適切な治療手順の評価を行い(=エビデンスの評価だけでなく,費用対効果を明示する),ガイドライン作成グループの構成員としても医療・技術専門家だけでなく,患者および介護の代表者が入っている。
・想定される利用者は,医療従事者,患者,患者家族および支援者とされ,さらにその内容はプライマリ・ケア医までの対応に重点が置かれている。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.