Japanese
English
特集 精神科治療の奏効機序
[神経症圏障害の治療]
Panic disorderの薬物治療
Pharmacotherapy of Panic Disorder
田所 千代子
1
,
上島 国利
1
Chiyoko TADOKORO
1
,
Kunitoshi KAMIJIMA
1
1昭和大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Showa University School of Medicine
キーワード:
Panic disorder
,
Imipramine
,
Alprazolam
,
Pharmacotherapy
Keyword:
Panic disorder
,
Imipramine
,
Alprazolam
,
Pharmacotherapy
pp.49-53
発行日 1994年1月15日
Published Date 1994/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903587
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■はじめに
Panic disorder(以下PD)は本邦での慣習的な病名では,急性の不安発作ないしは頻発する不安発作を有する不安神経症にほぼ匹敵するものといえよう。一般に神経症とはその根本に不安があり,その不安は何らかの心理社会的背景を持ち,状況依存性に発生したものとみなされてきた。しかしながら,PDはなんら原因なく突然不安が発作的に生ずることを大きな特徴としており,通常の状況反応的な不安発作とは異質なものであることが示唆される。また,従来の抗不安薬に十分反応せず,三環系抗うつ薬や高力価のbenzodiazepine系抗不安薬(以下BZs)が奏効するといった臨床的治療的側面を有し,特定の薬物などによりpanic attack(以下PA)が誘発できることから,PDは不安の生物学的なメカニズムを考える上での臨床モデルともいえよう。
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