Japanese
English
特集 精神疾患における病識・疾病認識—治療における意義
統合失調症の認知機能リハビリテーション
Cognitive Remediation for Schizophrenia
最上 多美子
1
,
池澤 聰
2
,
兼子 幸一
3
,
中込 和幸
2
Tamiko Mogami
1
,
Satoru Ikezawa
2
,
Koichi Kaneko
3
,
Kazuyuki Nakagome
2
1鳥取大学大学院医学系研究科臨床心理学専攻
2国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター
3鳥取大学医学部脳神経医科学講座精神行動医学分野
1Department of Clinical Psychology, Graduate School of Medical Sciences, Tottori University, Tottori, Japan
2National Center of Neurology and Psychiatry
3Neuropsychiatry, Brain and Neurosciences, School of Medicine, Tottori University
キーワード:
Schizophrenia
,
Cognitive remediation
,
Cognitive dysfunction
Keyword:
Schizophrenia
,
Cognitive remediation
,
Cognitive dysfunction
pp.1429-1436
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205955
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抄録 統合失調症の認知機能障害は就労や教育など機能的転帰に深く関連している。認知機能リハビリテーション(CR)の一種であるNEARでは認知課題セッションと言語セッションが実施され,治療フィデリティの評価項目が定められている。治療者トレーニングはCR実施に重要であり,講演と演習より構成されている。統合失調症の社会機能に媒介要素として動機付けがあり,CRでは内発的動機付けと外発的動機付けの両方を用いる。動機付けは治療環境と治療者の役割で示され,ドパミン系や動機付け面接のCRへの関連が指摘されている。CR治療効果サイズは中程度の大きさと解釈されている。CR効果研究の効果サイズが中程度でとどまっているが,その理由として,介入手法,介入期間や集中程度が研究間で統一されていないことが挙げられる。CR治療効果研究は多数発表されている中で,早期精神病,陰性症状への影響,初期知覚処理との関連が最近の動向である。
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