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特集 精神疾患における病識・疾病認識—治療における意義
神経発達症における病識・疾病認識—成人例を中心に
Insight and Disease Understanding in Adults with Neurodevelopmental Disorders
岡田 俊
1
Takashi Okada
1
1名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科
1Department of Child and Adolescent Psychiatry, Nagoya University Graduate School of Medicine, Nagoya, Japan
キーワード:
Insight
,
Disease understanding
,
Neurodevelopmental disorders
Keyword:
Insight
,
Disease understanding
,
Neurodevelopmental disorders
pp.1385-1391
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205950
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抄録 神経発達症は,幼少期から認められる認知と行動の偏りであり,そのために日常生活に支障を来すものをいう。いずれの神経発達症特性も,それ自身は病理的ではなく,質的,量的な差異に過ぎず,むしろ当事者には社会における不適応感として認知されやすい。神経発達症の診断においては,このような生きづらさと特性との関係を伝えるとともに,その切り分けについても明確化するなど,心理的な配慮が求められる。近年では「発達障害」概念が広く認知されるようになったが,同時に多くのスティグマを伴っている。神経発達症は,まだ明確な輪郭を持たない障害概念であり,この輪郭を生物学的に明確にする試みを継続する一方,現状においては生きづらさの原因となり得る特性として,支援の対象として位置付け,当事者および周囲の人々に特性の理解を進めていくべきである。
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