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特集 精神疾患における病識・疾病認識—治療における意義
統合失調症における病識と障害認識
Insight in Schizophrenia
賀古 勇輝
1
Yuki Kako
1
1北海道大学大学院医学研究院精神病態学分野精神医学教室
1Department of Psychiatry, Hokkaido University Graduate School of Medicine, Sapporo, Japan
キーワード:
Schizophrenia
,
Insight
,
Awareness
Keyword:
Schizophrenia
,
Insight
,
Awareness
pp.1367-1376
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205948
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抄録 病識欠如は統合失調症を特徴付ける重要な症候であり,治療上最も大きな障害の一つと言える。アドヒアランス不良や再発に繋がりやすく,強制的治療に至る要因にもなりやすく,統合失調症治療をより良いものにしていくためには克服しなければならない課題であろう。病識の評価尺度の開発に伴ってさまざまな研究が積み重ねられており,その成因や影響する要因が徐々に明らかとなってきている。従来からの心理学的な解釈に加え,認知科学の視点も注目されており,そこから治療的介入も開発されつつある。病識欠如に対する戦略はいまだ十分準備されているとは言い難い状況であり,今後も容易に解決できる問題ではないと思われるが,現時点での統合失調症の病識に関して,その評価法や関連する要因,治療的介入などについて概観する。
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