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特集 精神疾患における病識・疾病認識—治療における意義
双極性障害における病識・疾病認識
Insight and Recognition of Illness in Bipolar Disorder:Significance for treatment
鈴木 映二
1
,
秋山 剛
2
,
尾崎 友里加
2
Eiji Suzuki
1
,
Tsuyoshi Akiyama
2
,
Yurika Ozaki
2
1東北医科薬科大学医学部精神科学教室
2NTT東日本関東病院精神神経科
1Division of Psychiatry, Tohoku Medical and Pharmaceutical University, Sendai, Japan
2Department of Neuropsychiatry, NTT Medical Center Tokyo
キーワード:
Bipolar disorder
,
Insight
,
Recognition of illness
,
Personal narrative
Keyword:
Bipolar disorder
,
Insight
,
Recognition of illness
,
Personal narrative
pp.1377-1384
発行日 2019年12月15日
Published Date 2019/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205949
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抄録 本論文では,病識を持ちにくくする双極性障害に関する特性,それ以外の要因などについて,これまでの知見を整理した。病識は治療の経過や症状である攻撃性に影響するが,一方病識を回避することには,セルフスティグマに対する保護という側面があり,個々の当事者の病識に関するきめ細かい理解が重要である。この理解の一助とするために,本論文では,「躁状態・軽躁状態・うつ状態への病識を持つことの困難」「家族との関係への影響」「セルフスティグマ」「治療や病気が生活や人生に及ぼす影響のコントロールの方法を身につけることが,病識を伸ばす上で重要であること」などに関する当事者の見方を紹介した。なるべく早い段階で病識の獲得へのアプローチを行うべきであることは,当事者も指摘している。その人なりに病識を得ていく過程を伸ばすような方向で,サポーティブに手助けすることが,医師に求められていると言えよう。
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