Japanese
English
特集 精神医学における主観と主体
統合失調症の基本的障害の抽出—主体性の表れとしての眼球運動を用いて
The Extraction of a Fundamental Disorder from Schizophrenia: Using exploratory eye movements as reflection of subjectivity
小島 卓也
1
,
松島 英介
2
Takuya Kojima
1
,
Eisuke Matsushima
2
1医療法人社団輔仁会大宮厚生病院
2東京医科歯科大学大学院心療・緩和医療学分野
1Omiya Kosei Hospital, Saitama, Japan
2Section of Liason Psychiatry and Palliative Medicine, Graduate School of Tokyo Medical and Dental University
キーワード:
Exploratory eye movement
,
Responsive search score
,
Schizophrenia
,
Subjectivity disorder
Keyword:
Exploratory eye movement
,
Responsive search score
,
Schizophrenia
,
Subjectivity disorder
pp.551-560
発行日 2019年5月15日
Published Date 2019/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205832
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抄録 対象物を見るときの注視点の動き(探索眼球運動)を分析し,被検者の主体的な態度を調べた。標的図を呈示し,再生図を描いてもらった(1回目)。その後標的図と,一部異なる図2枚と合わせて3枚の図を呈示し,標的図との異同を質問し,最後に念押しの質問をして,2回目の再生図を描いてもらった。記銘課題時,再認課題時,念押し課題時の注視点の動きを分析した結果,念押し課題時の注視点の動き(反応的探索スコア)が統合失調症と非統合失調症の間で最も差が大きく,最も強い主体性を表していた。また,1回目と2回目の再生図を比較すると,統合失調症では,主体性の障害があって再生図は拙劣であるが,再認課題と念押し課題の手掛かりによって2回目の再生図が改善したと推測した。これらの結果を用いて,日常臨床におけるさまざまな現象について論じた
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