Japanese
English
研究と報告
アイマーク・レコーダーを用いた精神分裂病患者の視覚性認知障害に関する研究—再認課題に識別時間を取り入れて
A Study of Visual Cognitive Dysfunction in Schizophrenics by an Eye Mark Recorder Method: using discrimination time
諏訪 浩
1
,
松島 英介
2
,
小島 卓也
2
,
森 克己
3
,
桜田 美壽壽
2
,
守屋 裕文
1
,
宮坂 松衛
4
Hiroshi Suwa
1
,
Eisuke Matsushima
2
,
Takuya Kojima
2
,
Katsumi Mori
3
,
Misuzu Sakurada
2
,
Hirobumi Moriya
1
,
Matsue Miyasaka
4
1東京都立広尾病院神経科
2東京医科歯科大学神経精神医学教室
3森病院
4獨協医科大学精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Tokyo Metropolitan Hiroo General Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
3Mori Hospital
4Department of Psychiatry, Dokkyo University School of Medicine
キーワード:
Schizophrenia
,
Visual cognitive dysfunction
,
Exploratory eye movement
,
Eye mark recorder
,
Discrimination time
Keyword:
Schizophrenia
,
Visual cognitive dysfunction
,
Exploratory eye movement
,
Eye mark recorder
,
Discrimination time
pp.697-704
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903074
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【抄録】 精神分裂病患者の視覚性認知障害の特徴を明らかにするために,従来の横S字型図形を呈示する検査のうち,再認課題に時間的負荷を課した時の注視点の動きを分裂病患者29名および正常対照者27名について分析し,比較・検討した。正常者では再認課題中の注視点の動きは図形によって著明に異なり,課題終了後にも直前の結果を確認するような動きがみられ,時間的・空間的つながりの中で刺激を把握しているが,分裂病患者では断片的に各刺激を処理していることが推測された。また,分裂病患者にみられるこれらの注視点の動きには,BPRSで評価される感情面の障害(感情的引きこもりなど)や運動面の障害(運動減退)が関連していることが分かった。さらに,分裂病患者では再認課題後の念押しの質問に対する積極的な注視点の動きが乏しく,これは再認の際の注視点の動きとも密接に関係していることが分かった。
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