Japanese
English
特集 精神分裂病の生物学的研究
精神分裂病のマーカーとしての眼球運動
Eye Movements as a Marker for Schizophrenia
小島 卓也
1
,
松島 英介
1
,
太田 克也
1
,
中島 一憲
1
,
大林 滋
1
Takuya Kojima
1
,
Eisuke Matsushima
1
,
Katsuya Ohta
1
,
Kazunori Nakajima
1
,
Shigeru Ohbayashi
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Tokyo Medical and Dental University
pp.583-590
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902853
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.はじめに
日常の臨床場面において,分裂病者が冷たく突き放すような視線や何かに脅えているような眼差しを示し,医師がその視線の異常を感じることは極めて多い。立津23)は分裂病者に最も特徴的なのは目を中心とした顔の表情の変化が乏しいことであると述べており,表情や視線の動きが分裂病者の精神内界をよく反映するだけでなく,その生物学的特徴を表していることを示唆した。筆者らはこの視線の動きを客観的に把握し,分裂病の特徴を抽出しようと研究を重ねてきた1,8〜15,17,19,22)。
本論文では,幾何学図形(S字型図形)を呈示している際の注視点の動き,すなわち視線の動きが分裂病の特徴をどの程度反映しているか,分裂病のマーカーとなり得るかについて述べたい。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.