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特集 「統合失調症」再考(Ⅱ)
非定型抗精神病薬が統合失調症治療においてもたらしたものとは?
The Things which Atypical Antipsychotics Brought about in Treatment of Schizophrenia
渡邊 衡一郎
1
Koichiro WATANABE
1
1杏林大学医学部精神神経科学教室
1Department of Neuropsychiatry, Kyorin University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
Atypical antipsychotics
,
Schizophrenia
,
Recovery
,
Adherence
,
Dysphoria
Keyword:
Atypical antipsychotics
,
Schizophrenia
,
Recovery
,
Adherence
,
Dysphoria
pp.1093-1100
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205497
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はじめに
1996年わが国で初の非定型抗精神病薬(非定型薬)となるリスペリドンが上市された。それから20年余りが経過した今,非定型薬は統合失調症治療において当たり前のように処方されているが,この非定型薬は我々治療者にさまざまな影響を与えた。
実は筆者は今から約10年前,「副作用の観点から,非定型薬の登場はどのような影響があったのか」という内容について執筆をしている29)。その中で筆者は,①抗精神病薬の限界および怖さを知らせてくれた,②薬に対する理解が多面的かつ深まるようになった,③当事者のQOLやアドヒアランスへの影響をより配慮するようになった,という点において大きな影響があり,非定型薬登場の意義があると記した。
今回そこからさらに10年が経過した訳であるが,その思いはますます強まっていると言える。あらためてここで,この20年間に非定型薬がもたらした影響について検証する。
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