Japanese
English
短報
オランザピンの剤型による服薬満足度の違いについて
Subjective Treatment Satisfaction in Different Formulation of Olanzapine
藤川 美登里
1,2
,
都甲 崇
1
,
吉見 明香
3
,
藤田 純一
4
,
野本 宗孝
4
,
上條 敦史
1
,
天貝 徹
1
,
内門 大丈
2
,
勝瀬 大海
2
,
細島 英樹
5
,
佐倉 義久
6
,
古荘 竜
7
,
須田 顕
7
,
山口 隆之
8
,
伊藤 導智
5
,
小田原 俊成
7
,
平安 良雄
1
Midori FUJIKAWA
1,2
,
Takashi TOGO
1
,
Asuka YOSHIMI
3
,
Junichi FUJITA
4
,
Munetaka NOMOTO
4
,
Atsushi KAMIJO
1
,
Toru AMAGAI
1
,
Hirotake UCHIKADO
2
,
Omi KATSUSE
2
,
Hideki HOSOJIMA
5
,
Yoshihisa SAKURA
6
,
Ryu FURUSHO
7
,
Akira SUDA
7
,
Takayuki YAMAGUCHI
8
,
Mitinori ITO
5
,
Toshinari ODAWARA
7
,
Yoshio HIRAYASU
1
1横浜市立大学精神医学教室
2横浜舞岡病院
3ワシン坂病院
4神奈川県立精神医療センター
5東神奈川クリニック
6横浜南共済病院
7横浜市立大学附属市民総合医療センター
8NTT東日本伊豆病院
1Department of Psychiatry, Yokohama City University, Yokohama, Japan
2Yokohama Maioka Hospital
3Washin-saka Hospital
4Kanagawa Psychiatric Center
5Higashi-kanagawa Clinic
6Yokohama Minami-Kyosai Hospital
7Yokohama City University Medical Center
8NTT Higashinihon Izu Hospital
キーワード:
Subjective treatment satisfaction
,
Orally disintegrating olanzapine tablet
,
Adherence
,
Schizophrenia
Keyword:
Subjective treatment satisfaction
,
Orally disintegrating olanzapine tablet
,
Adherence
,
Schizophrenia
pp.543-546
発行日 2007年5月15日
Published Date 2007/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100998
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はじめに
統合失調症の治療では,再発予防のために長期にわたる内服を要することが多く,服薬アドヒアランスはその予後に大きな影響を与える。アドヒアランスは,患者が積極的に治療方針の決定に参加し,自らの決定に従って治療を実行(服薬)し,それを続けていく姿勢を重視した考え方である。アドヒアランスの向上には,患者の主観的な治療満足度が高いことが必要であるが,これまで主観的な満足度を調べる適当なスケールがなかったため,こうした評価を客観的に行った研究報告は海外を含めほとんどない。
近年,第2世代抗精神病薬の統合失調症治療における有用性は一般に認知されたといってよい状況であるが,それぞれの薬剤プロフィールの相違についてはいまだ検討の途上である5)。また,各薬剤はさまざまな剤型を有するが,剤型の違いによる効果や患者の評価に関する報告は少ない。オランザピンは標準経口錠(standard oral tablet,以下SOT)と口腔内崩壊錠(orally disintegrating tablet,以下ODT)の2種類の投薬形態が利用できる薬剤であり7),オランザピンODTは唾液により速やかに溶解することが特徴である10)。
今回我々は,治療満足度の評価スケールであるTSQM(Treatment Satisfaction Questionnaire for Medication)1)の日本語版を,原著者の承諾のうえback translationを経て作成し,オランザピンの剤型により内服治療の満足度の違いを調べた。
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