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編集後記
M. S.
pp.130
発行日 2019年1月15日
Published Date 2019/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205765
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明けましておめでとうございます。今年の5月には平成から新しい元号に変わることが決まっており,日本社会は新しい時代を迎えることになります。本誌は昨年に創刊60周年を迎えましたが,それを機に,編集委員会では,これまでの本誌の歩みを振り返り,さまざまな企画について議論しました。昨年に引き続き,61年目の新たな歩みを始めた今年も,本誌の伝統を継承しつつ新しい精神医学の発展に寄与することを目標に,いくつかの新しい企画を準備中です。
平成30年の日本における高齢化率(65歳以上の人口割合)は28.1%と発表されています。超高齢社会(高齢化率が21%以上)となったわが国で,私たちは日常生活のさまざまな場面において,また社会の多様な局面において,高齢化の進行に伴う変化を感じながら生活しています。その中で,高齢者におけるメンタルヘルスの重要性の増大も,まさに実感されるところです。精神医学・精神医療に携わる者には,老年精神医学を専門としていなくても,加齢に伴う生物・心理・社会的な変化とその中で生じる疾患を理解し,高齢者のメンタルヘルスの問題に適切に対処することが求められています。本号はその「高齢者のメンタルヘルス」を特集しており,認知症に限らないさまざまな高齢者のこころの健康問題に関して,問題・課題やその対策だけでなく,高齢者のこころのポジティブな面も含めて論じる包括的な内容となっています。
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