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短報
トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠によって幻覚,妄想が出現したレビー小体病の2症例
2 Cases of Lewy body Disease with Hallucination and Delusion Induced by Tramadol/Acetaminophen
北村 直也
1
,
植田 友佳子
1
,
原 正吾
1
,
澤原 光彦
1
,
石原 武士
1
,
青木 省三
1
Kitamura Naoya
1
,
Ueda Yukako
1
,
Hara Shogo
1
,
Sounohara Mitsuhiko
1
,
Ishihara Takeshi
1
,
Aoki Shozo
1
1川崎医科大学精神科学教室
1Department of Psychiatry, Kawasaki Medical School, Kurashiki, Japan
キーワード:
Lewy body disease
,
Drug induced psychosis
,
Tramadol/acetaminophen
Keyword:
Lewy body disease
,
Drug induced psychosis
,
Tramadol/acetaminophen
pp.1293-1296
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205722
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抄録 パーキンソン病患者は腰痛を訴えることが多く,一般の高齢者も整形外科的な疼痛を訴える頻度が高い。今回我々は,レビー小体病と考えられ,トラマドール塩酸塩/アセトアミノフェン配合錠が投与されたところ,激しい幻覚,妄想症状を呈した2症例を経験した。レビー小体病には幻覚,妄想が高頻度に出現することが知られており,薬剤起因性ではドパミン刺激作用や抗コリン作用がその原因となることが知られているが,本薬剤はこれらの作用を有していない。レビー小体病と診断されていない場合においても,同薬剤の投与で幻覚や妄想が出現した場合,潜在的なレビー小体病の可能性に留意し,精査を検討する必要があると考えられた。
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