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特集 医療・医学の課題としての身体合併症
腎臓病領域との協働
Collaboration with Nephrology Care Teams
西村 勝治
1
Katsuji Nishimura
1
1東京女子医科大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Tokyo Women's University School of Medicine. Tokyo, Japan
キーワード:
Nephrology
,
Psychiatry
,
Collaboration
,
Psycho-nephrology
Keyword:
Nephrology
,
Psychiatry
,
Collaboration
,
Psycho-nephrology
pp.611-618
発行日 2018年6月15日
Published Date 2018/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205614
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はじめに
腎臓病領域はがん領域と並んで古くからコンサルテーション・リエゾン精神医学の主要領域の一つであり,それぞれサイコネフロロジー(psycho-nephrology),サイコオンコロジー(psycho-oncology)と呼ばれてきたが,今なお取り組むべき課題が多い。
本特集の「身体合併症」という表現はあくまで精神医療サイドからみた概念であり,精神疾患がプライマリーである患者に合併する腎臓病を意味している。
一方,腎臓病の医療サイドに視点を変えれば,慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者に併存する精神疾患やメンタルヘルスの問題の多くが見逃されているか,適切な精神医療につながっていない15,31)。これらはCKD患者のQOLを低下させ,予後をも悪化させることが指摘されている8,9,29)。さらには医療スタッフのメンタルヘルスにも関連し,透析の医療現場ではスタッフの燃え尽き症候群が問題となっている。地域で透析医療を担っている施設において,いまなお連携できる精神科医がいない施設が少なくない。このような現状をふまえ,本稿では血液透析に焦点を当てて,CKD患者における精神医学的課題を俯瞰し,精神医療と腎臓病領域との協働可能性について述べる。
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