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特集 「統合失調症」再考(Ⅰ)
鵺のごとく正体不明,アメーバのごとく千変万化,烏合のごとく種々雑多—DSMには統合失調症の疾患概念がない!
Schizophrenia in DSM with No Concept of Disease-Enigmatic, Kaleidoscopic and Miscellaneous
中安 信夫
1
Nobuo NAKAYASU
1
1医療法人原会原病院
1Hara Hospital, Isesaki, Japan
キーワード:
Schizophrenia
,
Schizophrenia spectrum disorders
,
Concept
,
Nosology
,
Diagnostic criteria
Keyword:
Schizophrenia
,
Schizophrenia spectrum disorders
,
Concept
,
Nosology
,
Diagnostic criteria
pp.1001-1009
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205482
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はじめに
「操作的診断基準は統合失調症の見方をどのように変えたのか?」が本特集において筆者に与えられたタイトルである。これとほぼ同じ趣旨の論文執筆の依頼を12年前の2005年に「Schizophrenia Frontier」誌でも受けたが,そこでは「統合失調症の概念の変遷」を特集テーマとして「操作的診断と疾患概念の変化」を書くように求められたのである。その依頼に応えて筆者が執筆したのが論文「DSM統合失調症は『鵺(ぬえ)のごとき存在』である—操作的診断と疾患概念の変化」4)であったが,12年を経てもその折の考えにはいささかの変化もなく,変化するどころか2013年のDSM-51)の出版を機にますます強まり,よってタイトルを表題のごとくにして再度同様の主旨の論文を執筆することにした。なお,依頼は上記のごとく操作的診断基準全般に関してであるが,臨床的なそれはDSM(DSM-Ⅲ〜DSM-5)のみであるので,ここではDSMを取り上げて論じることにする。
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