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特集 MRIのT2・FLAIR画像での白質高信号の意味を読み解く
うつ病における白質構造変化について—MRI-T2強調画像における白質高信号とDiffusion Tensor Imageとの関連
Structural Changes in White Matter in Patients with Depression: Association between depression and white matter hyper intensities in T2 weighted images, and structural changes in diffusion tensor image
浅見 剛
1
,
平安 良雄
1
Takeshi ASAMI
1
,
Yoshio HIRAYASU
1
1横浜市立大学医学部精神医学
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine, Yokohama, Japan
キーワード:
Depression
,
White matter hyperintensities
,
Diffusion tensor image(DTI)
Keyword:
Depression
,
White matter hyperintensities
,
Diffusion tensor image(DTI)
pp.637-641
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205420
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はじめに
脳画像技術の著しい発展により,精神疾患における脳画像研究が盛んになっている。とりわけmagnetic resonance(MR)装置を用いた脳画像研究に関する報告数は飛躍的に増え,疾患における特徴的な変化も報告されるようになってきている。うつ病ではT2強調画像において高信号を示す脳領域の存在が指摘されており,特に,高齢初発のうつ病では,脳室周囲や前頭葉深部白質領域において,有意にその頻度が高く発現していることが分かってきている。また,これらの白質領域の変化が多ければ多いほど治療抵抗性となることも報告されている。近年では,精神疾患における白質の微細な構造変化を評価するためにdiffusion tensor image(DTI)を用いた解析が主流になってきており,うつ病に関しても,これまでにさまざまな報告がされてきている。本稿では,高齢うつ病におけるT2強調画像・深部白質領域の高信号の臨床的意義,DTI研究の意義と成果,今後の画像研究の展望について概括する。
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