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特集 精神医学と睡眠学の接点
双極性障害における睡眠・覚醒リズム障害の意義
Circadian Rhythm Dysfunction in Patients with Bipolar Disorder
高江洲 義和
1
Yoshikazu TAKAESU
1
1東京医科大学精神医学分野
1Department of Psychiatry,Tokyo Medical University,Tokyo,Japan
キーワード:
Circadian rhythm
,
Bipolar disorder
,
Chronobiological treatment
,
Predictor
Keyword:
Circadian rhythm
,
Bipolar disorder
,
Chronobiological treatment
,
Predictor
pp.535-540
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205402
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はじめに
近年,双極性障害の病態に概日リズム障害が密接な関連を持っていることが示唆されている。双極性障害における睡眠・覚醒リズムの乱れは症状の寛解期にも存在しており,躁症状やうつ症状に独立した重要な特性と考えられている。また概日リズム障害は気分障害の中でも特に双極性障害に特異性が高く,うつ病と双極性障害の早期の鑑別の糸口となることが示されつつある。双極性障害の非薬物療法として,高照度光療法や断眠療法などの時間生物学的治療介入による双極性障害の再発予防治効果が期待されている。本稿では双極性障害と概日リズム障害の関連についてのこれまでの研究知見を概説し,今後の双極性障害の臨床における概日リズム障害に着目した診断や治療への応用の可能性についても言及したい。
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