Japanese
English
研究と報告
高照度光療法が有効であった睡眠覚醒スケジュール障害の1例
Successful Treatment with Bright Artificial Light for a Patient with Sleep-wake Schedule Disorder
辻本 哲士
1
,
花田 耕一
1
,
塩入 俊樹
1
,
大門 一司
1
,
北村 隆行
1
,
高橋 三郎
1
Tetsushi Tsujimoto
1
,
Koichi Hanada
1
,
Toshiki Shioiri
1
,
Kazushi Daimon
1
,
Takayuki Kitamura
1
,
Saburo Takahashi
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Sleep-wake schedule disorder
,
Phototherapy
,
Deep body temperature
,
Circadian rhythm
Keyword:
Sleep-wake schedule disorder
,
Phototherapy
,
Deep body temperature
,
Circadian rhythm
pp.849-856
発行日 1991年8月15日
Published Date 1991/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903096
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【抄録】 近年,生体リズム異常が病因と推定される睡眠障害,睡眠覚醒スケジュール障害が報告され注目を集めている。我々は人工的な高照度光療法が有効であった本障害患者1例につき,病勢期,寛解期に深部体温測定,終夜脳波検査,睡眠覚醒記録を行い,生体リズムの変化について分析した。患者は29歳男性。25歳の時,不規則な勤務スケジュールの仕事に移ってから,不眠過眠を繰り返すようになり,睡眠覚醒スケジュール障害と診断された症例である。入院後も睡眠覚醒の異常が続いたため午前6時から8時まで毎朝2時間,2500luxの高照度光療法を行った。治療開始直後より睡眠覚醒スケジュールは急速に改善し,日常的な生活習慣に同調できるようになった。生体リズムの変化について,深部体温は睡眠相後退期に頂点位相の後退を認めたが,光療法実施により位相の前進を示した。終夜脳波は睡眠相後退期,入眠潜時,徐波睡眠潜時,中途覚醒時間の延長を認めたが,光療法実施後,各パラメーターの短縮改善を示した。
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