Japanese
English
特集 認知行動療法の現在とこれから—医療現場への普及と質の確保に向けて
PTSDに対する認知処理療法
Cognitive Processing Therapy for PTSD
堀越 勝
1
Masaru HORIKOSHI
1
1国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
1National Center for Cognitive Behavior Therapy and Research, National Center of Neurology and Psychiatry, Tokyo, Japan
キーワード:
PTSD
,
CPT
,
CBT
,
Exposure based CBT
Keyword:
PTSD
,
CPT
,
CBT
,
Exposure based CBT
pp.449-457
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205385
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
認知処理療法(Cognitive Processing Therapy;CPT)は,外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder;PTSD)に特化した認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy;CBT)で,現時点ではPTSDに対し最も有効な曝露ベースの介入法の一つと考えられている。治療ガイドラインの多くがPTSDに対する介入法として曝露ベースのCBTを推奨しているが(米国精神医学会:2009,米国心理学会:2006,NICE:2005,Cochran Collaboration:2013など),CPTは筆記を用いた曝露ベースのCBTである。曝露ベースのCBTの中でもCPTはPTSD患者の認知面への働きかけを重視する介入法で,海外ではエビデンスに基づいた治療法として米国退役軍人局にもPTSD治療のために採用されている。しかし,残念ながら現在の日本ではCPTの認知度は低く,臨床の現場で実施されることも少ない。そこで本稿では,将来的に日本のトラウマ治療の選択肢が一つ増えることを願いCPTの有効性や介入の概要について紹介する。
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.