書評
—石坂好樹 著—自閉症とサヴァンな人たち—自閉症にみられるさまざまな現象に関する考察
融 道男
1
1メンタルクリニックおぎくぼ
pp.685
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204976
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4月に飯田市で開催された「発達障碍の理解をめぐって」のシンポジウムでN教授とともに座長を務めた。この度本書の書評を試みて,自閉症,サヴァンについて深く窮めたい。
本書は「はじめに」において19年ぶりに改訂されたDSM-5について,自閉症の定義に大幅な変更が加えられたことを記している。広汎性発達障碍は消失し,「神経発達障碍」なる大項目に包摂されることになった。本書の内容は,第1章:江戸時代の自閉症と山下清,第2章:サヴァンのきらめき,第3章:数学的サヴァンの実例,第4章:自閉症の手記にみる感覚異常,第5章:「発達障碍」の概念と問題点,である。自閉的な人やサヴァンな人についての例が豊富に具体的に示されており,巻末の27頁にも及ぶ参考文献の数は膨大で貴重な情報源となろう。
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