Japanese
English
研究と報告
Paroxysmal kinesigenic choreoathetosisの1例—てんかん,ヒステリーとの関連について
A Case of Paroxysmal Kinesigenic Choreoathetosis
湖海 正尋
1,2
,
扇谷 明
3
,
新宮 一成
4,5
Masahiro Kokai
1,2
,
Akira Sengoku
3
,
Kazushige Shingu
4,5
1東北大学抗酸菌病研究所免疫学部門
2三重大学精神科
3国立療養所宇多野病院
4京都大学保健管理センター神経科
5現教養学部
1The Research Institute for Tuberculosis and Cancer, Tohoku University
2Mie University
3Utano National Hospital
4Kyoto University
キーワード:
Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis
,
Tonic seizure
,
Recruiting pattern
,
Hystery
Keyword:
Paroxysmal kinesigenic choreoathetosis
,
Tonic seizure
,
Recruiting pattern
,
Hystery
pp.393-399
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204691
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抄録 幼少時にparoxysmal kinesigenic choreoathetosis(PKC)を発症し,思春期に全身性強直発作を見,同時にヒステリー症状を呈した男子例を報告した。強直発作はPKCの頻度が増加した14歳時に発現し,臨床的にはてんかんとPKCの関連が強く考慮され,文献考察によって見出された数少ない両者合併例における一定のグループに帰せられたが,脳波学的には積極的にPKCてんかん説を裏付ける所見はみられなかった。したがって,PKCとてんかんとの病態関連性についてはこれまで以上に慎重になる必要があると思われた。器質性疾患と考えられるPKCは情動依存的に発現することが多く,薬物療法と共に精神療法的支持が効果的であった。転換性ヒステリーとの鑑別点の一つとして不応期の存在が考えられた。PKCとてんかんとの合併例の比較的詳細な報告は稀である。
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