Japanese
English
研究と報告
1てんかん者にみられた分離ヒステリー
A Case of Dissociative Reaction in Epileptics
加藤 秀明
1
Hideaki Kato
1
1岐阜大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Gifu University School of Medicine
pp.181-188
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202896
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I.はじめに
てんかんとヒステリーの関連については,古くから多くの人々によって種々の立場から論じられているが,現在でもなお鑑別困難な場合が少なからず存在し,十分な合意には達していないようである。ここに報告する症例も,てんかん発症と同時に,全生活史健忘,もうろう状態,遁走,疾走発作などの多彩な臨床症状を呈し,ヒステリーとの鑑別が問題になった症例である。本稿においててんかん発症とともに混乱に陥った1てんかん者の過程を,てんかんとヒステリーの関連から論じてみたい。
なお,臨床症状のなかで全生活史健忘状態はそれ自体興味ある現象なので,項を改めて本症例を全生活史健忘の観点からも検討した。
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