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Seishin Igaku Volume 30, Issue 10 （October 1988）

精神医学 30巻10号（1988年10月発行）

Japanese English

研究と報告

アルコール問題を持つ家族の中の子供達—児童相談所ケースから Children of Alcoholics: Cases from a child guidance center 鈴木健二 ¹ , 小野克彦 ² , 樋口進 ¹ , 村岡英雄 ¹ , 伊藤千恵 ¹ , 荒久保昭子 ¹ , 石井恵理 ¹ , 河野裕明 ¹ Kenji Suzuki ¹ , Katsuhiko Ono ² , Susumu Higuchi ¹ , Hideo Muraoka ¹ , Chie Ito ¹ , Akiko Arakubo ¹ , Eri Ishii ¹ , Hiroaki Kono ¹ ¹国立療養所久里浜病院 ²神奈川県立横須賀児童相談所 ¹Kurihama National Hospital ²Kanagawa Prefectural Yokosuka Child Guidance Center キーワード： Children of alcoholics , Delinquency , Broken families , Child Guidance Center Keyword: Children of alcoholics , Delinquency , Broken families , Child Guidance Center pp.1089-1098

発行日 1988年10月15日 Published Date 1988/10/15

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204594

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　抄録　我々は，ある児童相談所において継続したケアを行った106名の子供について，家族のアルコール問題と子供の問題の相関について調査を行い以下の結果を得た。①子供達の家族の32％にアルコール問題が存在した。②アルコール問題を持つ家族は75％が家庭崩壊を伴っており，そうでない家族の19％と比較して高い頻度とかつ複雑な家族変動をもち，また低い社会的経済的位置を認めた。アルコール問題は複雑かつ困難な家族問題の一部と考えられた。③アルコール問題を持つ家族の中の子供達は，非行44％，登校拒否24％，被虐待児15％などが多く見い出され，そうでない子供達と差が見られた。アルコール問題と家庭崩壊を含む困難な家族状況は相乗して子供達の問題を作り出すのであろう。