Japanese
English
研究と報告
アルコール症にみられた慢性硬膜下血腫について
Clinical Study of Chronic Subdural Hematoma on Alcoholism
赤井 淳一郎
1
,
樋口 進
1
,
村松 太郎
1
,
村岡 英雄
1
,
高木 敏
1
,
小池 祐治
2
Junichiro Akai
1
,
Susumu Higuchi
1
,
Taro Muramatsu
1
,
Hidco Muraoka
1
,
Satoshi Takagi
1
,
Yuji Koike
2
1国立療養所久里浜病院
2横須賀市立市民病院脳神経外科
1National Kurihama Hospital
2Department of Neurosurgery, Yokosuka City Hospital
キーワード:
Chronic subdural hematoma
,
CT scan
,
Alcoholism
Keyword:
Chronic subdural hematoma
,
CT scan
,
Alcoholism
pp.105-109
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204278
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抄録 アルコール症にみられた慢性硬膜下血腫について,国療久里浜病院の過去3年間の入院患患における経験をもとに検討した。頭部CTスキャン検査が行われた1,584名(入院患者数の約73%)中,10名が慢性硬膜下血腫と診断された。いずれも男性で,平均年齢は53歳。大半は20年以上の酒歴をもつ。病歴中,外傷の既往が明らかなものは少なく,確診後も4名は不明であった。神経症候は多様で,一定したものはなかった。脳波上も特異的なものなし。自験例のすべてがCTスキャン検査で発見されたものであり,中線構造の健側への変位が4例みられた。血腫洗滌除去術は8名で施行され,いずれも全治あるいは軽快した。
病歴,神経症候,脳波所見などからは,発生の予知ができないことを述べ,疾患の予後を考えた場合,アルコール症の入院時の頭部CTスキャン検査が重要であることを強調した。
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