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特集 老年精神医学
老年精神医学における生物学的知見
Biological Findings in Geriatric Psychiatry
西村 健
1
,
井上 健
1
Tsuyoshi Nishimura
1
,
Tsuyoshi Inouye
1
1大阪大学医学部精神科
1Department of Neuropsychiatry, Osaka University Medical School
pp.27-34
発行日 1987年1月15日
Published Date 1987/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204269
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I.はじめに
老年期精神障害の過半数は慢性器質性精神障害で占められる。周知のように,その主要なものは脳血管障害に伴う精神障害(とくに脳血管性痴呆)及びアルツハイマー型老年痴呆(senile dementia of the Alzheimer type:SDAT)である。そのように,老年期精神障害のなかで痴呆を呈する疾患の占める割合が大きく,しかもそれらの障害に対する対応が医学・社会の両面から重視されているため,近年の老年期精神医学における生物学的研究の主流は痴呆に関連した研究である。なかでも,病因がまだ明らかにされていないSDATに関する研究報告は数多く,また,その領域での研究の進展も著しい。
従って本稿においてもSDATに関する生物学的研究に焦点をあて,最近の成果の主要なものを拾ってみたい。
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