動き
「第5回世界生物学的精神医学会議」印象記
西村 健
1
,
山内 俊雄
2
1大阪大学医学部精神科
2埼玉医科大学精神科
pp.1368-1369
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903171
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第5回世界生物学的精神医学会議は1991年6月9〜14日の期間,イタリアのフィレンツェで福田哲雄会長,Giorgio Racagni組織委員長のもとに開催された。今回はルネッサンスの都フィレンツェで,会議が催されたことが大きな魅力となって,約5,000人の参加者があり,日本からも約800人という多数が参加した。生物学的研究領域外の精神科医や外科,脳神経外科,産婦人科の人たちもかなり参加していて,それぞれの視点から生物学的精神医学への関心を示していたのが興味深かった。会場は鉄道のサンタ・マリア・ノベッラ駅に隣接した古い要塞(Fortezza da Basso)の跡に建てられた,立派な設備を備えた会議場が主会場となり,そのほかに道を隔てた庭園内にある2つの建物が使われた。街全体が博物館と言ってよいフィレンツェでは,歴史的景観を守るため,新しい建造物に対する厳しい規制があると聞いたが,主会場の建物も1階の面積を広くとり,低層に抑え,外壁を目立たない色にするなどの配慮がされていた。
さて,会議は6月9日午後6時,開会式から始められた。まず,第5回世界会議組織委員長Racagniミラノ大学教授が歓迎の挨拶に立ち,イタリアの文化と芸術の中心地であるフィレンツェでの開催に至る経過の紹介ののち多数の演題と参加者を得たことに感謝の言葉を述べられた。
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