Japanese
English
研究と報告
脳器質性精神病の病像変遷—進行麻痺の場合
Gestaltwandel der hirnorganischen Psychosen: Am Beispiel der progressiven Paralyse erlautert
岩舘 敏晴
1
,
石井 厚
1
Toshiharu Iwadate
1
,
Atsushi Ishii
1
1東北大学医学部神経精神科
1Der Psychiatrischen and Nervenklinik der Universitat Tohoku
キーワード:
Change of style
,
Progressive paralysis
,
Pathoplastic moment
Keyword:
Change of style
,
Progressive paralysis
,
Pathoplastic moment
pp.1119-1126
発行日 1986年10月15日
Published Date 1986/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204224
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抄録 身体に基礎づけられる精神病の中から進行麻痺を選んで病像変遷を調査した。
治療と経過が病像に及ぼす影響を排除してもなお,痴呆型の増加と誇大型の減少が認められた。これはMendelら多くの報告と一致する。戦後の一時期,逆行的な現象がみられたが,これは誇大型進行麻痺患者の受診が相対的に高まったためと推察される。
進行麻痺の病像変遷を分裂病の病像変遷と比較すると,進行麻痺では分裂病の場合と異なり,「時代精神」といったものを反映するような変遷は認められなかった。これは進行麻痺が分裂病に比し,身体因によってより規定される疾病であるからと考えることができる。しかし一方,Treponema pallidumという同一の原因から生じ,疾患単位のモデルとなった進行麻痺にも,時代による病像変遷があることも確かめられた。
以上の結果について病塑性(Pathoplastique)の観点から考察を試みた。
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