Japanese
English
研究と報告
進行麻痺症例の長期縦断的SPECT所見変化に関する1考察—自験例2例と過去の症例報告を通して
Longitudinal SPECT Study on Two Patients with Progressive Paralysis
北林 百合之介
1
,
上田 英樹
1
,
成本 迅
1
,
北 仁志
1
,
中村 佳永子
1
,
安田 究
1
,
福居 顯二
1
Yurinosuke KITABAYASHI
1
,
Hideki UEDA
1
,
Jin NARUMOTO
1
,
Hitoshi KITA
1
,
Kaeko NAKAMURA
1
,
Kiwamu YASUDA
1
,
Kenji FUKUI
1
1京都府立医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Kyoto Prefectural University of Medicine
キーワード:
Progressive paralysis
,
Penicillin G
,
SPECT
,
Longitudinal change
Keyword:
Progressive paralysis
,
Penicillin G
,
SPECT
,
Longitudinal change
pp.1263-1269
発行日 2000年12月15日
Published Date 2000/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902334
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
【抄録】 進行麻痺2症例について,1年以上の縦断的な脳血流変化の評価を行った。両症例では,治療前には前頭葉中心のびまん性軽度脳血流低下が認められた。駆梅療法直後には,臨床症状の著明な改善にもかかわらず,脳血流はさらに低下し,この背景に炎症による病的血流充進の消退という機序が推察された。その後の長期経過では,日常生活の適応レベルの改善に伴って,脳血流値は緩徐に改善し,平均脳血流値はほぼ正常の範囲にまで回復した。
進行麻痺症例における駆梅療法直後の脳血流低下と,その後の緩徐な脳血流の改善という変化パターンについてはこれまでに報告がなく,進行麻痺の治療過程における病態の変化を考える上で重要な所見と考えられた。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.