Japanese
English
研究と報告
躁うつ病者の病に対する態度とその意義—躁うつ病者の内的生活史への一視点
Über die Einstellung Manisch-Depressiver zu ihren Psychosen und deren Bedeutung: Zum Gesichtspunkt zu ihrer inneren Lebensgeschichte
迎 豊
1
Yutaka Mukai
1
1千歳篠田病院
1Chitose-Shinoda Krankenhaus
キーワード:
Einstellung Manisch-Depressiver zu ihren Psychosen
,
Einstelungsanderung
,
Selbstwertskrise
,
das Gewinnen des Abstands als Entfernung
,
Selbstfrage bei Manisch-Depressiven
Keyword:
Einstellung Manisch-Depressiver zu ihren Psychosen
,
Einstelungsanderung
,
Selbstwertskrise
,
das Gewinnen des Abstands als Entfernung
,
Selbstfrage bei Manisch-Depressiven
pp.871-880
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204190
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抄録 躁うつ病者の病に対する態度への視点は「病者が病める日々と健康な日々をどのように橋渡ししていくのか」との問いの下に,自らの病と関わりつつ,現実世界を生きていく病者のあり方に眼を向けるが,それはまた彼らの内的生活史への一つの視点でもある。本論文では2例の躁うつ病者の病歴と生活史に刻印された彼らの病に対する態度について上記の観点から接近を試みた。横断的にみると,その態度は 1)失論理的・失反省的態度,2)危機的態度,3)反省的態度に類型化され,病に対する距離のとり方がそれらの基本機制としてある。距離をとることの本質をなす「離れをふせぐこと」は 3)において認められた。その一方,1)→2)→3)の縦断的変化は全体として弁証法化の過程を構成しており,危機的態度—自己価値の危機とその乗り越えがその中心にあると考えられた。指摘されるべきは,躁うつ病者の病に対する態度への視点が彼らの自己への問いへと我々を導いていることである。
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