Japanese
English
研究と報告
精神分裂病の治療効果の分析—治癒係数を使用して
Evaluation of the Therapeutic Effects on Schizophrenic Patients Using Recovery Index
浅井 利勇
1
,
浅井 邦彦
1
,
龍池 忠雄
1
,
林 宗義
2
Toshio Asai
1
,
Kunihiko Asai
1
,
Tadao Ryuchi
1
,
Tsung-Yi Lin
2
1医療法人静和会浅井病院
2ブリティシュ・コロンビア大学精神科
1Asai Hospital
2Department of Psychiatry, Health Sciences Center Hospital, University of British Columbia
キーワード:
Recovery Index
,
Schizophrcnia
,
Therapeutic Effects
,
Interventlon
,
Prognosis
Keyword:
Recovery Index
,
Schizophrcnia
,
Therapeutic Effects
,
Interventlon
,
Prognosis
pp.881-888
発行日 1986年8月15日
Published Date 1986/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204191
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 精神分裂病の治療に関与する重要な因子の持つ個別的な役割とその相互作用の関係を概念的に明確にし,更に個々の分裂病患者の治療効果と予後の判定をする一臨床用具として林宗義は治癒係数Recovery Indexを考案した。我々はこの治癒係数を日常臨床において定量的に判定しうる可能性を認めて初回入院,再入院,長期在院の精神分裂病群に応用した。
初回入院の分裂病者は一般に治療効果が高く,退院時の治癒係数が有意に上昇し,良い予後を示唆する得点を示した。逆に長期在院群は入院時の治癒係数が低く,調査時点との間に有意な上昇が認められなかった。また,長期在院群の疾病のプロセスが他2群より有意に高かった。発症から治療開始までの時間も最も大きかった。再入院群は,初回入院群に近いプロフィールを示した。
この研究を通して治癒係数が分裂病の治療方針の決定,指標として又病者の予後を多軸的に見ていく上で有用であることを確認した。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.