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資料
中部地方での連携精神医学に関する調査
A Survey on Liaison-Consultation Psychiatry in Chubu-area of Japan
滝 良明
1
,
清水 将之
1
,
木村 敏
1
Yoshiaki Taki
1
,
Masayuki Shimizu
1
,
Bin Kimura
1
1名古屋市立大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Nagoya City University
pp.823-830
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204183
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我々は,以上3調査から,リエゾン・コンサルテーション精神医学というものが全人的ないし包括(統合)医療を成立させるための不可欠な道程であると考える。しかし,現在ではまだ日本の総合病院の中に独立した診療部門として成立する条件が整っているとは言えない。その理由のひとつは一般診療科医師の包括医療への必要や理解が乏しいことであり,同時に精神医学領域においてもリエゾン・コンサルテーション精神医学の必然性や,医療全般に対する精神科医およびその関連職種の新しい役割が理解されているとは言いがたいことも指摘されねばならない。我々はこのような問題を解決するために医学部卒前教育におけるリエゾン・コンサルテーション精神医学の講義と臨床実習の充実が不可欠であると考えている。
我々の病院では,アンケート調査を行って以来,診療依頼や紹介の方法,内容の量や質が徐々に変わってきている。たとえば,今まで殆どなかった癌末期患者の相談や自殺未遂患者の紹介が増えつつある。これは,従来啓蒙不足であった医療の精神医学的側面に関心が向けられ始めた故とも考えられるが,同時に一般身体科医師の中で,「精神科も一度受診しておいたほうが良いのでないか」という考えが加わり始めたとも読める。
ところが,荒木1,2)らの言うように,日本ではコンサルテーションが日常的になっていないため精神科医の上手な利用がなされていない。
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