沖繩の公看活動 第10回
中部の島々
浦野 元幸
pp.66-67
発行日 1970年2月10日
Published Date 1970/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204615
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§石川保健所
東京からジェット機で1時間余り,桜島を眺めてしばらくたつと大小の島がみえる。これが奄美群島。この付近は気流が悪く晴天の日でもゆれることが多い。日南海岸付近の海の色は奄美へ近づくにつれ次第に鮮やか。27度線をこえると赤い山肌の沖縄北部の山々とリーフに囲まれた離島,魅了しつくすばかりのエメラルドグリーンの海が見下ろせるのである。航路は北部から中部の離島の上をとる。金武湾に浮かべられた防波の砦のような与勝海上公園の島々の上を。名づけて伊計,宮城,平安座,浜比嘉,津堅。さらに南部近くにイザイホーの島久高島へと続く。
本島から最も近い平安座は潮が干るとトラックが海のなかを往来し,人は幌馬車のような軍払い下げの車が運ぶ。このあたりは漁場の1つだがリーフで海が極端に浅いからである。満潮になればもちろん小さい舟がゆききする。やがてジェット機は南部戦跡から糸満上空を,さらに那覇国際空港へと機首をむける。
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