特集 保健所における監視業務
地方衛生研究所との連携
井上 博雄
1,2
Hiroo INOUYE
1,2
1松山中央保健所
2愛媛県立衛生研究所
pp.838-842
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900700
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◆はじめに
保健所は第一線の公衆衛生活動の中心的機関であり,一方,地方衛生研究所(以下,衛研と略)は科学技術を基盤とする公衆衛生行政の基本を支える機関として,各都道府県,指定都市および一部の政令市等によって,現在71ヵ所が設置されている.保健所の活動は保健所法によって,その地域の公衆衛生全般にわたる指導および事業を行うことが規定されているが,衛研の存立基盤あるいは活動根拠には法的規定はなく,昭和51年,厚生事務次官通達(地方衛生研究所の強化について,厚生省発衛第173号,昭和51年9月10日,以下51年次官通達と略)に求められ,各自治体の特徴を出しつつ,今日に至っている.
保健所と衛研は自治体ごとの若干の違いはあるにせよ,監観業務に限らず,諸分野において協力連携をとり,地域の公衆衛生活動を担ってきた.本題においては保健所と衛研の連携の現状につき論じる.
本論に入る前に,衛研については県民,市民はもとより,公衆衛生関係者においてさえ,その業務内容等の理解が薄く,その理解を深めるため,まず,活動根拠となる51年次官通達における設置要綱を引用したい.
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