Japanese
English
研究と報告
産後精神病の臨床統計的研究
Clinical and Statistical Studies of Postpartum Psychosis
岡野 禎治
1
,
野村 純一
1
,
原田 雅典
1
,
山口 隆久
1
,
西久保 光弘
2
,
鳩谷 龍
3
Tadaharu Okano
1
,
Junichi Nomura
1
,
Masanori Harada
1
,
Takahisa Yamaguchi
1
,
Mitsuhiro Nishikubo
2
,
Noboru Hatotani
3
1三重大学医学部精神科
2山田赤十字病院
3水口病院
1Department of Psychiatry, Mie University School of Medicine
2Yamada Red Cross Hospital
3Minakuchi Hospital
キーワード:
Postpartunm or puerperal psychosis
,
Clinical and statistical study
Keyword:
Postpartunm or puerperal psychosis
,
Clinical and statistical study
pp.505-512
発行日 1986年5月15日
Published Date 1986/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204145
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 1968年から1981年までの14年間に三重大学医学部精神科を受診した産後精神病のうちで,産後3ヵ月以内に初発し,1年間以上経過を観察することができた85例を対象として臨床統計的研究を行った。総女子患者の中で,産後精神病は1.8%であった。病像としては,うつ状態が最も多く(45%),錯乱せん妄状態(20%)と神経症様状態(20%)がこれに次ぎ,幻覚妄想状態,無欲困惑状態,てんかん,Sheehan症候群もみられた。発病時期については,産後1週間前後に発病する早発群(58%)と,産後1〜2カ月に発病する遅発群(42%)とがみられ,病像にも異なった傾向がみられた。経過については,45%は再発することなしに治癒したが,39%は1回以上再発し,また16%以上は1年以上の慢性経過をとった。このような結果およびその他の点について,従来の報告と比較検討した。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.