Japanese
English
研究と報告
Maternity Bluesと産後うつ病の比較文化的研究
Cross-Cultural Study of Maternity Blues and Postpartum Depression
岡野 禎治
1
,
野村 純一
1
,
越川 法子
2
,
土居 通哉
2
,
辰沼 利彦
2
Tadaharu Okano
1
,
Jun-ichi Nomura
1
,
Noriko Koshikawa
2
,
Michiya Doi
2
,
Toshihiko Tatsunuma
2
1三重大学医学部精神神経科学教室
2防衛医科大学精神科学教室
1Department of Psychiatry, Mie University School of Medicine
2Department of Psychiatry, National Defense Medical College
キーワード:
Maternity blues
,
Postpartum depression
,
Cross-cultural psychiatry
Keyword:
Maternity blues
,
Postpartum depression
,
Cross-cultural psychiatry
pp.1051-1058
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903125
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【抄録】 国内の2施設で,産褥婦325名を対象として,出産直後から1カ月後までのprospectiveな調査を行い,maternity bluesと産後うつ病の出現頻度および両者の関連性について検討した。診断には,英国で用いられているものと同一の評価尺度を用いた。84名(25.8%)がmaternity bluesと判定された。産後うつ病と判定されたのは10名(3.1%)であったが,そのうち4名はmaternity bluesからの移行例であった。maternity blues群と産科的要因との関連は認められなかったが,産後1カ月のうつ病評価尺度の得点が正常群よりも高く,1カ月後にも心理的影響を残していると考えられた。産後うつ病になる頻度についても,maternity blues群のほうが正常群よりも高かった。我が国におけるmaternity bluesと産後うつ病の出現頻度は欧米に比べて低く,その背景には日本女性の性格的特性や社会文化的要因の違いが関与していると思われる。
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