Japanese
English
研究と報告
精神疾患におけるTRHテストとデキサメサゾン抑制試験—感情障害におけるTRHテストの有用性
TRH Test and Dexamethasone Suppression Test in Psychiatric Illnesses: Usefulness of TRH test in affective disorders
小森 照久
1
,
野村 純一
1
,
山口 隆久
1
,
井上 桂
1
,
北山 功
1
,
原田 雅典
1
,
蒔田 一郎
1
,
蒔田 晶子
1
,
岡野 禎治
1
Teruhisa Komori
1
,
Junichi Nomura
1
,
Takahisa Yamaguchi
1
,
Katsura Inoue
1
,
Isao Kitayama
1
,
Masanori Harada
1
,
Ichiro Makita
1
,
Akiko Makita
1
,
Tadaharu Okano
1
1三重大学医学部精神神経科
1Department of Psychiatry and Neurology, Mie University School of Medicine
キーワード:
Psychiatric illness
,
Melancholia
,
TRH Test
,
DST
Keyword:
Psychiatric illness
,
Melancholia
,
TRH Test
,
DST
pp.307-313
発行日 1986年3月15日
Published Date 1986/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204120
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抄録 全入院患者を対象として,TRHテストとデキサメサゾン抑制試験(DST)を行い,メランコリーの診断に関する有用性を検討した。DSTの感度と特異性は,うつ病だけを対象にした場合には,それぞれ36%,100%であったが,全患者を対象にすると特異性が56%に低下した。その理由として,精神分裂性障害や痴呆でも,かなり高率にDSTの異常がみられることがあげられる。TRHテストについては,過大,過小,遅延の3反応を異常反応とすると,メランコリーの診断についての感度と特異性は,うつ病だけを対象にした場合には,それぞれ54%,100%であり,全患者を対象にしても特異性は72%であって,DSTよりも優れた結果が得られた。TRHテストの過小反応のみを異常とした場合には,特異性がやや上昇するものの感度は半減し,TRHテストの異常については過大反応や遅延反応も考慮に入れる必要がある。
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