Japanese
English
研究と報告
Maternity bluesの臨床内分泌的研究
Clinicoendocrine Study of Maternity Blues
岡野 禎治
1
,
野村 純一
1
,
蒔田 一郎
2
,
蒔田 晶子
3
,
山口 隆久
4
Tadaharu Okano
1
,
Junichi Nomura
1
,
Ichirou Makita
2
,
Akiko Makita
3
,
Takahisa Yamaguchi
4
1三重大学医学部精神科
2三重大学保健管理センター
3多度病院
4鈴鹿厚生病院
1Department of Psychiatry, Mie University School of Medicine
2Health Administration Center, Mie University
3Tado Hospital
4Suzuka-Kousei Hospital
キーワード:
Prospective study
,
Maternity blues
,
Postpartum depression
,
Thyroid function
,
Adrenocortical function
Keyword:
Prospective study
,
Maternity blues
,
Postpartum depression
,
Thyroid function
,
Adrenocortical function
pp.725-733
発行日 1989年7月15日
Published Date 1989/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204736
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抄録 健康妊婦122名について心理的状況および甲状腺機能(T3,T4,FT4,TSH)と副腎皮質機能(血中cortisol)を,妊娠初期から産後1カ月まで縦断的に観察して,産後にmaternity bluesを発症した群と正常であった群における心理的状況と内分泌機能との差異,さらに産科的要因との関連について検討した。このうちmaternity bluesと診断されたものは14名(11.5%)で,産後1カ月後に産後うつ病と診断されたものは4名であった。maternity bluesの症状としては,涙もろさ,不安,抑うつ,情動不安定,困惑などを示すことが特徴的であり,またこのような症状は産後1カ月まで精神的な影響を残していた。甲状腺機能検査についてはいずれの時期においても両群の間に差異はなかったが,産後3〜4日目のcortisol値はmaternity blues群で有意に高く,maternity bluesの内分泌学的背景としては視床下部—下垂体—副腎皮質系の機能昂進があるのではないかと推定された。
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