Japanese
English
特集 精神疾患に対する神経内分泌的アプローチ
精神疾患における視床下部下垂体-甲状腺系および-性腺系機能
Hypothalamopituitary-Thyroid and-Gonadal Functionin Psychiatric Illnesses
野村 純一
1
,
鳩谷 龍
1
,
山口 隆久
1
,
北山 功
1
,
村瀬 さな子
1
,
小森 照久
1
,
西久保 光弘
2
,
久松 憲二
3
Junichi Nomura
1
,
Noboru Hatotani
1
,
Takahisa Yamaguchi
1
,
Isao Kitayama
1
,
Sanako Murase
1
,
Teruhisa Komori
1
,
Mitsuhiro Nishikubo
2
,
Kenji Hisamatsu
3
1三重大学医学部精神神経科
2山田赤十字病院神経科
3津駅西口神経クリニク
1Department of Psychiatry and Neurology, Mie University School of Medicine
2Yamada Red Cross Hospital
3Tsu Nishiguchi Clinic
pp.39-46
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203700
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I.はじめに
躁うつ病などの情動性疾患においては,視床下部下垂体系を中心とした内分泌調節異常がしばしばみられるが,その多くは非特異的な生体反応や個体の機能的脆弱性を示しているものと思われる。しかしそのような内分泌調節異常が病像の膠着や再発に関係していると思われる症例も多く,その点で疾患の病態発生の解明や内分泌的治療への手掛かりを与えているといえよう。ここでは周期性精神病を中心として,一部ではうつ病,神経性無食欲症,産後精神病を含め,その視床下部下垂体-甲状腺系および視床下部下垂体-性腺系の機能を検討するとともに,脳と肝臓の機能連関の問題についても触れたい。なおここでいう周期性精神病とは,鳩谷10)が規定しているように,情動,意識,精神運動機能に関する多くは両極性の症状を急性,周期性に反復するものであって,主に躁うつ病と非定型精神病の一部を含んでいる。
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