Japanese
English
特集 前頭側頭型痴呆
2.Pick病とその関連疾患
Pick's Disease and Its Related Disorders
石津 秀樹
1
,
黒田 重利
1
Hideki Ishizu
1
,
Shigetoshi Kuroda
1
1岡山大学医学部精神科神経科
1Department of Neuropsychiatry, Okayama University Medical School
キーワード:
Pick's disease
,
Pick complex
,
Pick body dementia
,
Pick body
,
glial fibrillary tangle
Keyword:
Pick's disease
,
Pick complex
,
Pick body dementia
,
Pick body
,
glial fibrillary tangle
pp.109-117
発行日 2000年2月1日
Published Date 2000/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406901554
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はじめに
Alzheimer病を中心とした変性疾患のtau蛋白の研究が進む中で,同じように異常にリン酸化されたtau蛋白の蓄積するPick病への関心も高まっている。また,家族性Pick病と診断されていた痴呆症に近年tau関連遺伝子の異常もみつかった。さらに,前頭側頭型痴呆(Frontotemporal dementia:FTD)の新しい概念が出され41),これまで曖昧とされてきたPick病の定義にも修正が必要な状況となっている。
これまでPick病から多くの疾患概念が分離し,それぞれの疾患が独立した一疾患単位であるかどうか議論されたが,その取り扱いに混乱も生じている(図1)。現在のPick病を取り巻く混乱は,第的一に歴史的なPick病の定義に関するものである。第二は病理学的疾患単位と臨床心理学的症候名の混同に起因している。そこで本稿では最近のPick病を取り巻く概念の変化や混乱の原因について概説し,Pick病の新しい病理所見と生化学的研究を中心に紹介し,Pick病関連疾患の最近の動向について紹介する。
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