Japanese
English
特集 睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)―その病態と臨床
中枢性睡眠時無呼吸
Central Sleep Apnea
片山 宗一
1
,
横山 誠之
1
,
平野 良郎
1
,
鹿嶋 嗣一
1
Soichi Katayama
1
,
Seishi Yakoyama
1
,
Yoshiro Hirano
1
,
Tsugukazu Kashima
1
1獨協医科大学神経内科
1Department of Neurology, Dokkyo University School of Medicine
pp.137-145
発行日 1985年2月15日
Published Date 1985/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203894
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I.はじめに
近年,国の内外を問わず睡眠時無呼吸に対する関心がとみに高まっているが,各研究者の対象とする疾患に片寄りがみられ,本症の実体が正しく把握されているとは考え難い。米国睡眠学会(APSS)で制定した睡眠・覚醒障害の新しい分類,診断基準1)をみると,睡眠時無呼吸および肺胞低換気症候群はそれぞれ不眠を伴う群と過眠を伴う群とに分けられ,前者を中枢性無呼吸,後者を閉塞性無呼吸の特徴であると分類している。米国の睡眠障害センターでは睡眠・覚醒障害を訴えて来院した症例を主な対象として研究しており,上記の分類はこれから得られた臨床成績をもととして作られたものであるため,中枢性睡眠時無呼吸のデータに乏しい。したがって,このような分類は実際の臨床に適合しないという批判も多い2)。著者3)は睡眠障害とは無関係に種々の脳障害,心障害あるいはこれらの障害を示さない一般内科疾患の多数症例について,その呼吸パタンをpolysomnographyにより検討したので,その成績を中心に紹介する。また脳障害例を対象として考察した中枢性睡眠時無呼吸の発現機序にも言及する。
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