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展望
芸術療法の展望—表現精神病理・パトグラフィ領域とともに—第1回
Review of Art Therapy '84
徳田 良仁
1
Yoshihito Tokuda
1
1神経研究所診療部
1Neuropsychiatric Research Institute
pp.792-802
発行日 1984年8月15日
Published Date 1984/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203801
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I.はじめに
精神医療における芸術療法の適応水準はますます高まっている。このことは現在の日本芸術療法学会や関連の研究会における発表や雑誌に掲載された諸論文の内容をみるときに実感することである。
ひとことで芸術療法といっても広義のものは別にして,それぞれ多くの手技が含まれている。いわく絵画療法,音楽療法,造形療法,陶芸療法,舞踊療法,心理劇,箱庭療法,創作詩歌療法,東洋芸道などなどその包含する領域は広い。各ジャンルにおいて研究者,実践者の理論的深化と治療構造論の充実はまことに目を見はる思いがする。ここに芸術療法の展望を試みるにあたって,この広汎な領域をすべてカバーすることは不可能であるが,10年前,岩井40)が本誌上で試みたものに重ねて,その後の展開発展のあとを紹介してみようと思う。われわれの領域はたんに芸術療法のみでなく,表現病理学,パトグラフィを含めた相互関連の学際的認識はまさに密接不可分のものであるので,その一端を紹介し,合わせて世界の動向と現状に触れてみようと思う。
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