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芸術療法
徳田 良仁
1,2
1(財)神経研究所付属晴和病院診療部
2日本芸術療法学会
pp.624
発行日 1986年6月1日
Published Date 1986/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921427
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芸術療法とは,現在においては比較的広い概念を包括した名称である.そもそもこの芸術療法とは,心身障害者の健康回復を援助する手段・目的をもって,人間が行なうことが可能な創造的な諸活動を開発させつつ行なう治療法である.つまり,絵画,音楽,箱庭,詩歌,心理劇,舞踏,陶芸など数多くの技法を用いての治療的アプローチがなされている.
このような包括的な呼称は,我が国において独特のものである.そもそも英米語圏ではArt Therapyと呼ばれているものがあり,ドイツ語圏ではKunst Therapieといわれるが,これらは主として絵画表現を治療手段とする,いわゆる絵画療法を呼ぶものとして発達したものである.したがって絵画療法は,これ独自のものとして発展し,とくに表現精神病理学の領域をも研究の対象としての領域も広がっている.
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