特集 DSM-III—その有用性と問題点
座談会
DSM-III—その有用性と問題点
加藤 正明
1
,
笠原 嘉
2
,
大熊 輝雄
3
,
土居 健郎
4
,
藤縄 昭
5
,
高橋 良
6
1東京医科大学精神神経科
2名古屋大学医学部精神神経科
3東北大学医学部精神神経科
4国立精神衛生研究所
5京都大学教養部心理学教室
6東京医科歯科大学神経精神科
pp.190-201
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203722
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まえおき
高橋(司会) ご存じのようにDSM-IIIが精神医学界にいろんなインパクトを与えており,日本でもこの問題をめぐってシンポジウムが行われたりあるいは特集が組まれております。このへんで,もう一度DSM-IIIの発生してきた経緯を振り返り,現時点での日本におけるDSM-IIIの応用性,あるいは意義を考えてみたいと思います。
私なりにいろいろ考えてみますと,一つは精神疾患の定義診断が各学派,各国の間で必ずしも一致していなかったという現状があります。国際疾病分類も統一診断の動きがありましたし,そういう背景のもとでアメリカはアメリカで独自に委員会を作って,精神医学会としてDSM-IIIができたわけです。
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