Japanese
English
研究と報告
ある妄想幻覚患者の病に対する態度
Zur Stellungnahme eines Kranken zu seiner paranoid-halluzinatorischen Psychose
迎 豊
1
Yutaka Mukai
1
1弘前大学医学部神経精神医学教室
1Aus der neuropsychiatrischen Abteilung der Universität Hirosaki
キーワード:
Stellungnahme zur Krankheit
,
Krankheitseinsicht
,
Verstehende Aneignung der Psychose
,
Schwankung der GewiBheit
,
Wirklichkeit des Erlebens bzw
,
Realitätsbewu Btsein
Keyword:
Stellungnahme zur Krankheit
,
Krankheitseinsicht
,
Verstehende Aneignung der Psychose
,
Schwankung der GewiBheit
,
Wirklichkeit des Erlebens bzw
,
Realitätsbewu Btsein
pp.847-856
発行日 1983年8月15日
Published Date 1983/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203630
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抄録 「自己の病に対する患者の態度」については古典的精神病理学においてほぼ完成された形で論じられている。著者は,Jaspers, K. とともに,「病に対する患者の態度」という臨床的問題を精神病と患者の人格との関連性をめぐる諸問題の一つとしてとらえ,その態度の両極としての「病識の獲得」と「病を了解的に自己のものとすること」についてそれぞれの基本的構成要件を呈示しながら,ある妄想幻覚患者の病歴と「病に対する患者の態度」を紹介し,その態度の意義と成立要因,さらに自己の再構成との関係について検討を試みた。その際,異常体験に関する確信性の動揺現象は体験の現実性ないし実在意識の変化という基本問題に患者を直面せしめたばかりでなく,病に対する客観的態度を可能とした要因でもあることが示唆された。しかし,病を担う患者にとって単に病を洞察するだけの行為は自己矛盾を露呈することに他ならず,自己の再構成を妨害することが確認された。
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