特集 せん妄・妄想・幻覚へのアプローチ
妄想・幻覚患者への法的対応
上村 直人
1
,
掛田 恭子
1
,
井上 新平
1
Naoto Kamimura
1
,
Kyouko Kakeda
1
,
Shinpei Inoue
1
1高知大学医学部神経統御学講座神経精神病対医学教室
キーワード:
精神症状
,
精神疾患
,
インフォームド・コンセント
,
精神保健福祉法
,
精神保健指定医
,
リエゾン・コンサルテーション
Keyword:
精神症状
,
精神疾患
,
インフォームド・コンセント
,
精神保健福祉法
,
精神保健指定医
,
リエゾン・コンサルテーション
pp.860-865
発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414101040
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Case
大腸癌手術目的で入院中,手術前日に妄想・徘徊が活発となった症例
患者:75歳,男性.
現病歴:大腸癌が発見され,外科入院.手術前日の夜間に興奮・暴力が出現し,「家に帰る.手術なんて聞いてない.悪いところはない」と騒ぐため,手術当日に精神科紹介となった.意識清明であるが,短期記憶の障害を認め,昨夜の出来事は思い出せなかった.家族の話から,数年前から痴呆があり,本人には手術といわず,検査入院と説明していたことが判明した.主治医は手術を中止し,退院か,精神科への転科を希望した.精神科医は,睡眠覚醒リズムの調整ができれば同意が得られ,手術自体は可能であることを説明し,手術前後の精神医学的管理を約束して,1週間後に大腸癌摘出術を施行した.術後の経過は良好で,約3週間で退院となった.
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