Japanese
English
特集 薬物と睡眠をめぐって
睡眠・覚醒機序と神経伝達物質
Sleep-waking Mechanisms and Neurotransmitters
融 道男
1
,
三ッ汐 洋
1
Michio Toru
1
,
Hiroshi Mitsushio
1
1国立武蔵療養所神経センター疾病研究第三部
1Division of Psychobiology, National Center for Nervous, Mental and Muscular Disorders
pp.119-126
発行日 1983年2月15日
Published Date 1983/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203537
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I.はじめに
精神疾患には睡眠障害を伴うことが多いことは臨床でよく知られた事実であるが,なぜ躁うつ病や精神分裂病に不眠が随伴するのかまだ明解な説明はなされていない。最近内因性精神病には脳内monoamine代謝の異常が想定されているが,睡眠覚醒の機序にもmonoamineやacetylcholineが深く関連していることは広く認められてきている。このような点から,将来精神疾患と睡眠覚醒サイクルの病態が神経伝達の異常という共通項で解釈される可能性もあろう。本稿では睡眠と最も関連深い伝達物質と考えられているserotoninを中心に,各種神経伝達物質および神経ペプチドについて睡眠覚醒機序の視点から概説を試みた。
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