Japanese
English
研究と報告
初老期痴呆3例の発病初期にみられたうつ病様状態
Depression like Symptoms seen in Patients of Early Presenile Dementia
三山 吉夫
1
Yoshio Mitsuyama
1
1宮崎医科大学精神科
1Dept. of Psychiat., Miyazaki Medical College
キーワード:
Depressive syndrome
,
Depression
,
Organicity
,
Dementia
Keyword:
Depressive syndrome
,
Depression
,
Organicity
,
Dementia
pp.1169-1175
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203492
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抄録 痴呆患者にみられるうつ病様状態には,内因性うつ病や反応性うつ病の併発の他に,痴呆の部分症状としてのみせかけのうつ病様状態がある。初診時にうつ病と診断され,経過観察中に痴呆が明らかとなった3症例について,その臨床経過を報告し痴呆患者にみられるみせかけのうつ病様状態の特徴について考察した。このみせかけのうつ病様状態には,①悲哀感の乏しさ,②深刻感の欠如,③病態無関心〜否定,④促せば渋滞なく行動するが,放置すれば何もしない,⑤症状の動揺がみられない,⑥抗うつ剤に反応しない,などの特徴がみられ,これらが"器質性"を示唆する手がかりとなる。
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