Japanese
English
研究と報告
痴呆患者にみられる躁うつ病様状態について
Manic Depressive Psychosis like State in Patients with Dementia
三山 𠮷夫
1
Yoshio Mitsuyama
1
1宮崎医科大学
1Department of Psychiatry, Miyazaki Medical College
キーワード:
Manic depressive psychosis
,
Dementia
Keyword:
Manic depressive psychosis
,
Dementia
pp.353-362
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204686
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抄録 脳血管型痴呆5例と変性型痴呆5例の経過中にみられた躁うつ病様状態について報告した。精神症状は内因性躁うつ病のそれと変わらないが,全体的に軽症で抑うつ状態時には不安,焦燥感が強い割には悲哀感情が乏しく,軽躁状態時には爽快感情の乏しい傾向がみられた。躁うつ病様状態は,病初期で痴呆が軽度〜中等度の時期にみられ,痴呆が高度になったり発症して長年月が経つと病相がくずれたり,消失する傾向がみられた。抗うつ剤による抑うつ状態の治療では,脳血管型痴呆の症例には有効例が多く,変性型痴呆の症例には無効例が多かった。脳血管型痴呆2例と変性型痴呆4例の抑うつ状態時にデキサメサゾン抑制試験を施行したが,全例が抑制型を示した。
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