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古典紹介
von Hans Binder—アルコール酩酊状態—第1回
von Hans Binder: Über alkoholische Rauschzustände〔Schweiz. Arch. Neurol. Psychiat. 35;209-228, 36;17-51, 1935〕
影山 任佐
1
Jinsuke Kageyama
1
1東京医科歯科大学犯罪精神医学
1Dept. of Criminal Psychiatry, Tokyo Medical & Dental University
pp.855-866
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203458
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Ⅰ.緒言
アルコール酩酊状態についての文献を通覧してみると,単純なアルコール酩酊像とは異なった一定の酩酊状態について記述し,明確にしようと既に古くから著者たちが努力してきた跡を窺い知ることができる。この固有の状態はMania ebriorum acutissimaとかMania e potuと呼ばれていた。Heilbronnerは1901年と1905年の論文において,異常アルコール反応について初めて詳細な記述と考察とを行った。これらの業績の中に,基本的に重要な分類の観点が暗示的なものであっても既に与えられているのが見出せる。すなわち,Heilbronnerは急性アルコール摂取に対する異常反応を次の2群に分類している。
1.単純酩酊(einfacher Rausch)からたんに量的に異なる反応で,尋常酩酊(gewöhnliche Trunkenheit)の個々の症状が通常の程度を超えて増強されているのが認められる。
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