Japanese
English
短報
炭酸リチウム併用により著効を示した遷延性うつ病の2例
Two Cases of Rapid Relief of Depression by Lithium Carbonate Added to Tricyclic Antidepressants
藤原 茂樹
1
,
神庭 重信
1
,
北村 俊則
1
,
工藤 孝行
1
Shigeki Fujihara
1
,
Shigenobu Kanba
1
,
Toshinori Kitamura
1
,
Takayuki Kudo
1
1慶応義塾大学医学部精神神経科学教室
1Dept. of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio Gijuku University
pp.850-851
発行日 1982年8月15日
Published Date 1982/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203457
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I.はじめに
炭酸リチウムに反応するうつ病の一群がある1〜7)。双極性の場合には三環系抗うつ剤が効きにくく,躁転を防ぐ意味でも炭酸リチウムを第1選択とする意見があり8),またうつ病相のみを繰り返す患者で炭酸リチウムによりよく反応する群は,気分の易変動性があり,うつ状態時の食欲亢進,多眠を示す傾向があるという9)。
さらに三環系抗うつ剤に反応せず遷延するうつ病への炭酸リチウム併用による効果が報告されている10,11)。われわれもまた長期にわたり三環系抗うつ剤を使用しても改善のみられなかったうつ病患者に炭酸リチウムを加え奏効をみた2例を経験したのでここに報告する。
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